【神戸市北区の不動産売却を検討中の方へ】相続時精算課税制度を賢く活用する秘訣とは?
- 石田敦也
- 6月5日
- 読了時間: 7分

神戸市北区で不動産を相続し、将来的な売却をご検討中の皆様へ。
「相続時精算課税制度」という言葉を聞いたことはありますか?この制度を上手に活用することで、大切なご家族への資産承継をスムーズにし、将来の不動産売却にも有利な状況を作り出すことができるかもしれません。
今回は、この制度の基本的な仕組みから、特に不動産を所有されている方に知っていただきたいメリットまで、分かりやすく解説します。
◆相続時精算課税制度とは? 将来の不動産売却を有利に!
まず、相続時精算課税制度の基本的な仕組みからご説明します。
この制度は、簡単に言うと、
「生前贈与時に合計2,500万円までの贈与は非課税とします。ただし、贈与した方が亡くなった際に、過去に贈与した財産を相続財産に含めて相続税を計算します」というものです。
つまり、贈与税をその場で支払うのではなく、将来の相続税でまとめて精算する制度と言えます。このため、「税金の先送り」とも表現されますが、この「先送り」が不動産の相続と売却において大きなメリットを生むことがあります。
◆「基礎控除以内」がポイント!神戸市北区の不動産所有者が現金贈与を賢く活用するケース
相続時精算課税制度が特に有利になる具体的なケースをご紹介します。特に、不動産をお持ちで、お子様へのまとまった現金贈与をお考えの場合です。
例えば、神戸市北区に不動産をお持ちのAさんが、お子様Bさんの新生活や事業開業資金として、まとまった1,000万円の現金を生前贈与しようとした場合を考えてみましょう。
通常であれば年間110万円を超える贈与には高額な贈与税がかかりますが、相続時精算課税制度を利用すれば、この1,000万円の現金贈与は非課税で行うことができます。
そして、Aさんがお亡くなりになった際、過去に贈与した1,000万円の現金を含むAさんの相続財産が、日本の相続税の基礎控除額(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)内に収まる場合は、相続税自体がかかりません。
つまり、将来的に神戸市北区の相続不動産売却を検討する際でも、ご自身の相続財産が基礎控除額に収まる見込みであれば、110万円の贈与税を心配することなく、お子様へまとまった現金(例:1,000万円)を非課税で贈与できるという大きなメリットがあるのです。
これにより、お子様はその資金で新しい事業を始めたり、別の不動産を購入したりと、資産を有効活用してもらいやすくなります。
◆株価が暴落した時に贈与する戦略
株が経済危機等で一時的に暴落した、このタイミングで相続時精算課税制度を利用し贈与します。その後落ち着いて株価が元に戻ったとしても、相続の時に差し戻されるのは暴落している時の株価、贈与した時の価格です。
これが上手く行くとかなり財産を圧縮出来ます。この度のコロナでは3割位下げていた銘柄もありましたね。アパート建てたり借金したりしなくても3割圧縮ってすごくないですか?
ただ株価はなかな読むのが難しいので計算通りにはいかない事もあると思いますが。
◆認知症対策にもなる相続時精算課税制度の思わぬメリット
高齢化が進む現代において、認知症は多くの方が不安を感じる問題です。ご自身やご家族が認知症になった場合、資産の管理や運用、不動産の売却といった重要な手続きが難しくなる可能性があります。
相続時精算課税制度を活用して、元気なうちに計画的に資産を贈与しておくことは、この認知症リスクへの有効な対策にもなり得ます。
例えば、将来、不動産を売却する予定がある場合でも、所有権が認知症になる前に息子さんなどの相続人に贈与されていれば、判断能力の低下による契約上の問題や手続きの滞りを避けることができます。
また、贈与後も、贈与者がその不動産にそのまま住み続けることができる点も大きなメリットです。住み慣れた家を離れることなく、将来の管理や手続きの負担を軽減できるため、ご本人も安心して生活を送ることができます。
もし認知症になってから不動産を売却しようとすると、成年後見制度の利用を検討する必要があり、その手続きには長い「時間」と多額の「費用」がかかるだけでなく、ご本人の意思を尊重した柔軟な対応が難しくなるケースも少なくありません。
さらに、老人ホームなどの施設への入居が決まった段階で、ご自宅の売却をスムーズかつ安全に進められるというメリットもあります。
所有権がすでに相続人に移っていれば、本人の判断能力の有無にかかわらず、手際よく売却手続きを進めることができ、安心して施設入居後の生活資金を確保することができます。
これは、ご家族にとっても大きな安心材料となるでしょう。
そのため、将来的に不動産売却を検討されている方は、ご自身の判断能力が十分にあるうちに、この制度を利用して円滑な資産承継を進めておくことが、ご自身やご家族の安心につながる一つの賢い選択肢となります。
よくあるご質問(Q&A)
相続時精算課税制度について、皆様からよくいただくご質問とその回答をまとめました。
Q1:相続時精算課税制度を利用するにあたり、注意すべき点はありますか?
A1:相続時精算課税制度を利用する際には、以下の2つの点に注意が必要です。
制度の仕組みと暦年贈与の基礎控除の適用外 2024年1月1日以降の贈与については、相続時精算課税制度を利用した場合でも、年間110万円までの基礎控除枠が新たに設けられました。 この年間110万円までは贈与税の申告も不要で、相続財産に加算する必要もありません。ただし、この制度を一度選択すると、その贈与者からの贈与については、以後、暦年贈与に戻すことはできません。また、2,500万円の特別控除額を超えた部分には一律20%の贈与税がかかり、相続時に贈与時の評価額で相続財産に含めて計算されます。もし贈与時より相続時の評価額が下がっていたとしても、相続税の計算上は贈与時の評価額が適用されます。
不動産贈与と「小規模宅地等の特例」 相続時精算課税制度を利用して不動産を贈与した場合、相続の際に「小規模宅地等の特例」が適用できない点も重要な注意点です。 この特例は、居住用宅地などで一定の要件を満たせば、相続税評価額を最大80%減額できるため、相続税を大きく軽減する可能性がありますが、相続時精算課税制度で贈与してしまうと利用できません。これらの点も総合的に考慮して判断する必要があります。
Q2:この制度は、不動産以外の財産でも利用できますか?
A2:はい、現金、預貯金、株式、不動産など、贈与税の対象となるほとんどの財産に適用できます。ただし、贈与する財産の性質によって、メリット・デメリットが変わる場合がありますので、専門家にご相談いただくことをお勧めします。特に、不動産や非上場株式など評価が変動しやすい財産については、贈与のタイミングが重要になります。
Q3:制度の利用を検討する際、誰に相談すれば良いですか?
A3:相続時精算課税制度は、税務や法務の専門知識が求められる複雑な制度です。ご自身の状況に合わせた最適なアドバイスを得るためには、税理士や弁護士、または不動産の相続や売却に詳しい不動産会社に、ご相談いただくことをお勧めします。専門家は、お客様の財産状況やご家族の希望を総合的に考慮し、適切なサポートを提供できます。
まとめ
相続時精算課税制度は、単なる税金の先送りではなく、不動産の所有者にとって、特に将来の売却を視野に入れている方にとっては、戦略的な資産承継を実現するための強力なツールとなり得ます。
また、認知症対策や老人ホーム入居時の自宅売却の円滑化としても有効な側面があることをご理解いただけたかと思います。
神戸市北区の不動産をめぐる相続や贈与、そして売却に関するご相談は、専門的な知識が不可欠です。ご自身のケースでこの制度が本当に有利になるのか、また、最も効果的な活用法は何かについて、税理士や信頼できる不動産会社へぜひ一度ご相談ください。
私たちは、神戸市北区の不動産に関する豊富な知識と経験で、皆様の疑問や不安を解消し、最適なアドバイスを提供いたします。お気軽にお問い合わせください。
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