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不動産の相続税評価で最高裁

  • 執筆者の写真: 石田敦也
    石田敦也
  • 2022年4月2日
  • 読了時間: 3分

更新日:2024年9月28日



不動産の相続税評価

【路線価での評価に待った!】

親から不動産を相続した子どもたちが、基本的な計算方法の路線価で計算し申告したにも関わらず、追徴課税を求められ最高裁で争われている事案がニュースで騒がれています。

相続税を圧縮するために不動産を購入する方は多いと思いますが、最高裁の判決次第では今度の節税方法にも影響してきます。

この「不動産の相続税評価」ニュースについて、解説していきます。

【現金と不動産の相続税評価額の違い】

1億円の現金と1億円の土地では、相続の際の同じ1億円で評価されません。

1億円の現金は1億円で評価されますが、1億円の土地はおそよ8,000万円くらいで評価されます。

これは国税庁のホームページにもあるように、土地は路線価により評価し計算するように書いてあるのです。

では何で、今回争いになっているのか?

2009年に購入した不動産14億円が、2012年に相続され路線価で計算して3億円くらいで評価され、銀行借入があり最終的に相続税ゼロ円で申告し、更に2013年に一部売却をし5億円を得た。

これにカチンときた国税が追徴課税を課したのです。

相続人側の主張は、もともと税務署が示している計算方式で申告して問題ない人もいるし、具体的な数値の制限もないので、どこが悪いんだっと言うことでしょうね。

一方国税は、14億円もの財産を相続して1円の税金も払わないのは不公平になる!

両者の争いは、こんな感じです。

両方、わかると言えばわかりますよね。

【伝家の宝刀=財産評価基本通達6項】

財産評価基本通達6項には「この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の評価は、国税庁長官の指示を受けて評価する。」と書いてあり、これが伝家の宝刀と言われています。

つまり、いくら不動産を規定の路線価で評価し計算して申告しても、国税庁長官がダメっと言ったらダメです。

納税者もいろいろな節税方法を駆使し、想定外の手法を使ってくるので全方位に対応できるように、こう言う曖昧な表現をしているのだと思います。

【4月19日が判決】

いよいよ、4月19日に判決が出ます。

判決前に、ネットはざわついています。

いろいろな弁護士さんが意見を述べていますが、どうなるのでしょうか?

ただ個人的には、14億円の財産を相続して1円も税金を払わず直後に売り払うのは、どう考えてもまずいと思います。

税理士さんは、何で止めなかったんでしょうか?

それともこれは、税理士さんが考えたスキームなんですかね。

それと、国税ももう少し圧縮の基準をはっきり示しておいてくれるいいのですが、

どんな判決が出るか注目です!



【判決は】



2022年4月19日に最高裁の判決が出ました。


最終的には、国側の勝訴です。


路線価による評価は認められませんでした。


但し全ての路線価の評価が認められない訳ではなく、余りにも実勢価格と乖離が大きかったり露骨な節税方法を取った場合に、伝家の宝刀が抜かれるようですね。


これから相続対策をする方は、十分注意して下さい。




【※追記】



2022年6月10日の日経新聞に、税理士さんの解説記事が出ていました。


今回、国税が伝家の宝刀を抜いたのは、路線化と実勢価格の乖離の問題と言うよりも、借入額に問題があることを指摘しています。


つまり、不動産収支を無視した多額の借入(ずーっと赤字)を行ってまでも、節税をしたことに原因があるようですね。


通常の不動産投資家なら、赤字になる投資は行わないのに、節税の為だけに多額の借入を行なった。


倫理的な問題のようですね。



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