損しない!神戸市内の居住用物件売却で使える「3000万円控除」の適用条件と注意点
- 石田敦也
- 5月23日
- 読了時間: 8分

「マイホームを売却したら、思っていたより税金が高くて驚いた、」
神戸市内でご自宅の売却を考えているあなたは、そんな心配をしていませんか?
実は、ご自宅(マイホーム)を売って利益が出た場合でも、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除」という特別な制度を使えば、最大3,000万円まで利益から差し引くことができ、税金を大きく減らせる可能性があります。
この大切な制度を知っているかどうかで、売却後に手元に残るお金が大きく変わることも少なくありません。
この記事では、神戸市内のご自宅売却を検討されているあなたのために、この3,000万円特別控除の「どんな時に使えるのか(適用条件)」から「気を付けること(注意点)」、「手続きの方法」まで、不動産のプロが分かりやすく解説します。
賢く節税して、神戸での新しい生活をより豊かなものにしていきましょう。
1. 不動産売却をお得にする「3,000万円特別控除」って何?
「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除」とは、ご自宅を売って得た利益(これを「譲渡所得」と呼びます)から、最高3,000万円まで差し引くことができる制度です。これにより、譲渡所得にかかる税金(所得税や住民税)を大きく減らすことができます。
譲渡所得(売却益)の計算式は次の通りです。
譲渡所得 = 売れた金額 − ((家を買った時の費用 − 減価償却費) + 売る時にかかった費用)
例えば、譲渡所得が2,000万円だった場合、この3,000万円控除を使えば、2,000万円全額が控除されるため、税金はゼロになります。
昭和の時代にマイホームを購入された方は、要注意なんです。
2. 神戸市で自宅を売る!「3,000万円控除」が使える条件をチェック
この大きな節税メリットを受けるためには、いくつかの条件を満たす必要があります。国税庁の情報を基に、大切なポイントを見ていきましょう。
(1) 売る物件が「マイホーム」であること
売却する物件が、以下のいずれかの「マイホーム」に当てはまる必要があります。
今、あなたが住んでいる家屋
以前住んでいた家屋
住まなくなった日から3年後の12月31日までに売る場合に限ります。
住まなくなった後、その家を駐車場などに使っていても大丈夫です。
上記の家屋と一緒に売った土地や借地権。
上記の家屋を取り壊した後の土地で、以下の2つの条件を両方満たすもの。
土地の売買契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に結ばれ、かつ、住まなくなった日から3年後の12月31日までに売ること。
家屋を取り壊してから売買契約を結ぶまでの間、その土地を駐車場などの商業目的で使っていないこと。
家屋が災害で壊れてしまった場合のその土地で、災害があった日から3年後の12月31日までに売るもの。
※売却をする際は、引越し・解体時期に十分注意して下さい。
(2) 「特別な関係の人」に売っていないこと
親子や夫婦、生計を一つにしている親族、内縁関係の人、特別な関係のある法人など、「特別な関係がある人」に売った場合は、この制度は使えません。
(3) 他の特例との併用制限
売却した年とその前の2年間(前年、前々年)に、以下のいずれかの特例を使っている場合は、この3,000万円控除は使えません。
この3,000万円特別控除(亡くなった方の家を売った場合の特例は除く)
マイホームを売って損失が出た場合の、他の所得との相殺や繰り越し控除の特例
マイホームの買い換えや交換の特例
(4) その他の特例との併用制限
売却した家屋や土地について、公共事業のために収用された場合の特別控除など、他の特定の特例を使っている場合は、この3,000万円控除は使えません。
(5) 控除が使えない家屋の例
以下のような家屋には、この特例は適用されません。
この特例を使うことだけを目的に一時的に住んだと見なされる家屋。
新しい家を建てる間だけ一時的に仮住まいとして使った家屋、その他、一時的な目的で住んだと見なされる家屋。
別荘のように、主に趣味や娯楽、保養のために持っている家屋。
3. 【事例でわかる】あなたの売却益はいくら?控除適用後の税金計算シミュレーション
実際に3,000万円特別控除を使うと、税金がどのように変わるのか、具体的な例で見てみましょう。
譲渡所得を計算する際の「家を買った時の費用」には、購入費用や購入時の諸費用の他に、建物の場合は、住んでいた期間に応じた「減価償却費」という費用を差し引いて計算する必要があります。減価償却費とは、建物の価値が年々減少していく分を費用として計上するものです。
<例:神戸市内のマンションを売却した場合>
売れた金額:5,000万円
家を買った時の費用(購入費用+購入時の諸費用。建物の場合は減価償却費相当額を差し引いた金額):2,000万円
売る時にかかった費用(売却時の仲介手数料など):200万円
1. 譲渡所得(売却益)の計算
譲渡所得 = 5,000万円 − (2,000万円 + 200万円) = 2,800万円
2. 3,000万円控除を使った後の課税される譲渡所得
譲渡所得が2,800万円で、3,000万円の控除枠内に収まるため、税金がかかる譲渡所得は0円となります。
結果:譲渡所得税・住民税はかからない
もしこの控除を知らずに確定申告をしなければ、2,800万円に対して税金がかかってしまうところでした。この例のように、売却益が3,000万円以下であれば、税金がゼロになるケースも多いのです。
4. 忘れずに!控除を使うための確定申告の手順と必要書類
3,000万円特別控除を使うためには、必ず確定申告を行う必要があります。たとえ譲渡所得が3,000万円以下で税金がかからない場合でも、確定申告をしないとこの控除は適用されません。
確定申告の期間
不動産を売却した年の翌年の2月16日から3月15日までに行います。
主な必要書類
確定申告書に以下の書類を添えて提出します。
確定申告書
譲渡所得の内訳書(確定申告書に添付する計算明細書)【土地・建物用】
売却した物件の売買契約書のコピー
購入した物件の売買契約書のコピー
売却した土地・建物の全部事項証明書(法務局で取得します)
戸籍の附票の写し、または消除された戸籍の附票の写し
売買契約日の前日に住民票の住所と物件の所在地が異なっていた場合などに必要です。
これにより、あなたがその物件に住んでいたことを証明します。
住民票の写し(またはマイナンバー)
これらの書類は、税務署、役所、法務局など、それぞれ取得する場所が異なります。漏れなく準備するためにも、早めに確認し、分からないことがあれば不動産会社や税務署に相談しましょう。
5. 【注意点】「3,000万円控除」を使うと損するケースがあるってホント?
3,000万円特別控除は大変お得な制度ですが、他の税制上の特例との組み合わせによっては、かえって損をしてしまうこともあります。
(1) 「10年超所有軽減税率の特例」との併用
売却したマイホームの所有期間が10年を超える場合、「10年超所有軽減税率の特例」も一緒に使うことができます。これは、3,000万円控除を使った後の譲渡所得に対して、通常の税率よりも低い税率が適用される制度です。
譲渡所得が6,000万円以下の場合:14.21%
譲渡所得が6,000万円超の場合:20.315%
この特例は3,000万円控除と併用できるため、さらに税金を減らせる可能性があります。
(2) 「住宅ローン控除」との併用はできません
マイホームを売却した後、新しく家を購入して住宅ローンを組む場合、3,000万円特別控除と住宅ローン控除は同時に使うことができません。
どちらの控除があなたにとって有利になるかは、売却益の金額や、新しく組む住宅ローンの金額、期間などによって異なります。
売却益が大きく、税金負担が重い場合は、3,000万円控除を優先する方がお得なケースが多いです。
売却益が少なく、新しく組む住宅ローンの金額が大きい場合は、住宅ローン控除を優先する方がお得なケースもあります。
この判断はとても複雑なので、必ず専門家(不動産会社や税理士)に相談し、シミュレーションしてもらうことを強くお勧めします。
(3) 「譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」との関係
もしマイホームを売却して損失(売却損)が出た場合、3,000万円控除は使えません。しかし、特定の条件を満たせば、その損失を他の所得と相殺(損益通算)したり、翌年以降に繰り越して税金から差し引く(繰越控除)ことができる別の特例があります。
これらの特例も3,000万円控除とは併用できないため、ご自身の状況に合わせて最適な特例を選ぶ必要があります。
6. 神戸の不動産売却はプロに相談!「3,000万円控除」を最大限に活かすために
「3,000万円特別控除」は、税金を大きく減らせる非常に魅力的な制度ですが、その適用条件や他の特例との組み合わせは複雑です。特に、一人ひとりの売却状況や今後のライフプランによって、最もお得な方法は異なります。
私たち不動産屋は、単に物件の売却をお手伝いするだけでなく、お客様が「損をしない」ように、税金対策も含めて総合的にサポートしています。
あなたの物件が控除の条件を満たすか?
他の特例と比べて、どちらがより有利になるか?
確定申告に必要な書類は何か?
など、売却に関するあらゆる疑問にお答えし、あなたに最適なアドバイスをさせていただきます。
神戸市内の不動産売却に関するご相談は、地域に詳しい私たちプロにお任せください。まずはお気軽にお問い合わせいただき、無料査定から始めてみませんか?
あなたの神戸での不動産売却を、成功へと導くお手伝いをさせていただきます。
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