top of page

神戸市北区 不動産相続で落とし穴?安易な「共有名義」が後々のトラブルの元に

  • 執筆者の写真: 石田敦也
    石田敦也
  • 6月13日
  • 読了時間: 5分

相続共有名義

神戸市北区にお住まいの皆さま、ご実家が北区にある方で、相続についてお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。


相続は、大切なご家族を亡くされた後にやってくる、非常にデリケートな問題です。特に、ご実家や土地などの「不動産」が遺産に含まれる場合、「誰が引き継ぐか」で悩むことは少なくありません。


そんな時、「とりあえず、兄弟みんなで共有名義にしておこうか、」と安易に考えてしまうケースがあります。


しかし、この「とりあえず」が、後々大きなトラブルの種になってしまうことがあるんです。


今回は、不動産を共有名義にした際に起こりがちな問題と、その対策について、神戸市北区の不動産のプロとしてご説明します。





【なぜ「共有名義」を選んでしまうのか?】


遺産分割協議で、不動産を誰か一人に相続させるのが難しい場合、以下のような理由で共有名義を選択してしまうことがあります。


  • 遺産分割協議がまとまらない時の妥協策: 相続人全員が納得する分割方法が見つからず、一旦、公平に共有にしておくのが一番楽だと考えてしまう。


  • 感情的な理由: 「親の家だから、みんなで分け合いたい」「思い出の詰まった家を手放したくない」といった感情から、売却せずに共有名義を選ぶ。


  • 税金対策の誤解: 「単独名義にすると贈与税がかかるのでは?」など、税金に関する誤った知識や不安から共有名義を選ぶ。


  • 手続きの簡素化: 一人で不動産を相続する人が代償金を用意できない場合など、分割方法を考えるのが面倒で、手っ取り早く共有名義にしてしまう。


しかし、この「とりあえず」が、数年後、数十年後に想像以上の困りごとを引き起こすことになります。





【安易な共有名義が引き起こす具体的なトラブル】


不動産を共有名義にすることで、将来的にこんな問題が発生する可能性があります。


1. 不動産の活用・処分が自由にならない


神戸市北区の不動産は、自然豊かな環境に恵まれていますが、その活用には所有者全員の同意が必要です。


  • 売却したいのにできない: 相続人のうち誰か一人でも反対すれば、不動産全体を売却することはできません。「住む予定もないし、固定資産税もかかるから売りたい」と考えても、他の共有者が「思い出の家だから残したい」と反対すれば、身動きが取れなくなります。


  • 賃貸に出したいのにできない: 空き家にしておくのはもったいないと賃貸に出そうとしても、共有者全員の同意が必要です。


  • リフォーム・建て替えができない: 大規模な修繕や建て替えには、共有者全員の合意が原則として必要です。老朽化が進んでも手が出せず、空き家問題が深刻化する原因にもなります。


2. 金銭的負担や管理責任をめぐる対立


不動産には、所有しているだけで費用がかかります。


  • 固定資産税や維持管理費の負担: 毎年かかる固定資産税や都市計画税、火災保険料、老朽化した際の修繕費など、意外と大きな費用がかかります。誰がどれだけ負担するかで揉めたり、滞納が発生したりすることもあります。


  • 管理責任の押し付け合い: 遠方に住んでいる共有者や、そもそも不動産に関心がない共有者がいると、管理責任を巡って対立が起こりやすくなります。


3. 次世代への負担(「数次相続」の発生)


共有名義の不動産を放置していると、さらに複雑な問題に発展します。


  • 相続人がどんどん増える: 共有者の誰かが亡くなると、その人の持分はさらにその相続人(例えば孫世代)に引き継がれます。結果として、全く知らない遠い親戚が共有者になることもあり、意思決定が極めて困難になります。


  • 権利関係が複雑化: 時間が経つにつれて権利関係が複雑になり、最終的に売却しようと思っても、相続人全員の連絡先を把握するだけでも一苦労、といった状況になりかねません。





【共有名義のトラブルを避けるための対策】



では、こうした落とし穴を避けるためにはどうすれば良いのでしょうか。


1. 遺産分割協議で最適な方法を検討する


安易な共有名義ではなく、以下の分割方法を検討しましょう。


  • 換価分割: 不動産を売却し、その売却代金を相続人全員で分配する方法。この方法は、金銭で公平に分けられるため、相続人間で最もトラブルになりにくいと言えます。特に神戸市北区で売却をご検討でしたら、ぜひ弊社にご相談ください。


  • 現物分割: 複数の不動産がある場合、それぞれの不動産を特定の相続人が単独で取得する方法。


  • 代償分割: 不動産を取得した相続人が、他の相続人に対して不動産の価値に見合う金銭(代償金)を支払う方法。


2. 専門家に相談する


相続問題は、不動産、税金、法律など、幅広い専門知識が必要です。


  • 相続診断士: 相続に関する幅広い悩みや、ご家族の状況をヒアリングし、どの専門家(税理士、弁護士、司法書士など)に相談すべきか、適切な窓口を案内する相続の総合コンサルタントです。まず誰に相談すれば良いか分からない場合に、最初の一歩として頼りになります。


  • 司法書士: 相続登記の手続き。


  • 弁護士: 相続人間での紛争解決、遺産分割協議の代理。


  • 税理士: 相続税の申告、節税対策。


  • 不動産会社: 不動産の適正な評価、売却のサポート、活用方法のアドバイス。


相続の初期段階から、これらの専門家が連携してサポートすることで、後のトラブルを未然に防ぐことができます。


3. 遺言書を準備する


被相続人(故人)が生前に「誰に何を相続させるか」を明確に遺言書に残しておくことで、多くの相続トラブルを防ぐことができます。





【まとめ:大切な不動産を「負動産」にしないために】


「共有名義」は、一見すると公平で簡単な解決策に見えますが、将来的に多くの問題を引き起こす可能性があります。


神戸市北区の不動産を、未来にわたって価値のある資産として維持していくためには、相続発生時に「とりあえず」ではなく、しっかりとした計画と専門家への相談が不可欠です。


もし、ご実家が神戸市北区にあり、相続に関して「どうしたらいいかわからない」「共有名義になっている不動産があるけど、このままで大丈夫?」といった不安をお持ちでしたら、ぜひ一度、私たちにご相談ください。


地域の特性を熟知した不動産のプロとして、皆さまの相続がスムーズに進むよう、最適なアドバイスとサポートをさせていただきます。


お問合せ

Comments


bottom of page