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『お母さん、ごめん──家を売ってあげられなかった』

  • 執筆者の写真: 石田敦也
    石田敦也
  • 7月26日
  • 読了時間: 4分

認知症

お父さんが亡くなってから、母はずっと神戸市北区の家に一人で暮らしていた。買い物も洗濯も、自分でこなしていたから、近所でも「しっかりした人」と思われていた。


でもある日、久しぶりに家を訪ねたら、ガス台の火がついたままで、ヤカンは空焚きしていた。


病院で「軽度の認知症」と診断され、兄と相談して、母を施設に入れることに決めた。

母には貯金がほとんどない。年金だけじゃ、施設費用は到底まかなえない。


でも、あの家がある。築年数は古いけれど、地形も良く、交通の便もいい。すぐに地元の不動産会社に連絡し、査定してもらった。


担当の方も「これはすぐ買い手がつきますよ!」と心強く言ってくれた。

正直ホッとした。「これで、母を安心して預けられる」と思った──けれど。


打ち合わせの帰り際、担当の人が少し言いにくそうに、こう話してくれた。

「ひとつだけ、確認させていただきたいことがありまして、お母さまが認知症の診断を受けていらっしゃるとのことですが、その状態だと、売買契約ができない可能性があります。」


一瞬、何を言っているのか分からなかった。「どういうことですか?」と聞き返すと、担当者は丁寧に説明してくれた。


「不動産の売却には本人の意思が必要です。ですが、認知症で意思能力がないと判断されると、契約が無効になるリスクがあるんです。その場合、“成年後見人”を立てないと売却できないんです。」


調べると、後見人を立てるには家庭裁判所への申し立てが必要で、鑑定費用や報酬もかかる。しかも、いったん後見人が付けば、財産は自由に使えず、報酬としてお母さんが亡くなるまでずっと払い続けなければならない──。


、、、正直、絶望した。

「売れるのに、売れない」「助けたいのに、手が届かない」


僕たちは結局、家の売却を断念した。施設費は兄弟で出し合ってなんとかした。でも、母にもっといいケアをしてあげたかった。


今になって思う。もっと早く、「任意後見」や「生前贈与」のことを知っていれば、母が元気なうちに準備していれば、あの家をちゃんと使えていたかもしれない。


こんな思いを、これ以上する人が増えないように──あのとき、不動産会社の担当の方が、正直に伝えてくれたことが、今ではありがたかったと思っている。





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これは、フィクションのストーリーですが、誰にでも起こり得ることです。


家を売りたい。施設費を払いたい。でも、もし「もう遅いかも、」と感じていたら──

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❓よくある質問 Q&A


Q1. すでに親が認知症と診断されています。家は絶対に売れませんか?

A. 売却は可能ですが、成年後見制度を利用する必要があります。ただし、後見人の選任には時間と費用がかかり、専門職が後見人になると報酬が毎月数万円~発生します。売却益も後見人の管理下に置かれるため、家族の自由に使えない点が大きなデメリットです。



Q2. 家族が後見人になれば費用はかからないのですか?

A. 家族が後見人に選任されれば、報酬は不要なケースが多いです。ただし、家庭裁判所が「第三者後見人(弁護士など)」を選任することもあり、必ず家族がなれるとは限りません。



Q3. まだ親が元気なうちにできる対策はありますか?

A. あります!

  • 任意後見契約(費用が安い)

  • 家族信託

  • 生前贈与+売却準備(相続時精算課税制度利用)

これらを利用すれば、認知症発症後の“売れないリスク”を防げる可能性があります。早めに準備しておくことで、家族の負担も減ります。



Q4. 相談するときに何が必要ですか?

A. 登記簿謄本や診断書などがあるとスムーズですが、まずは「現状を話すだけ」でも大丈夫です。不動産・法律・税金、どこに相談すればよいか迷う場合は、不動産会社に最初の相談をしてみてください。



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