【2026年施行】離婚後の「共同親権」で何が変わる?20代・30代夫婦が知っておくべき民法改正のポイント
- 石田敦也

- 1 日前
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「離婚したら、子どもは母親が引き取るもの」 そんなこれまでの常識が、2026年から大きく変わろうとしています。
2024年5月に成立した改正民法により、日本でもついに「共同親権」が導入されます。
特に、これからマイホーム購入や子育て、キャリア形成を本格的に考える20代・30代の若いご夫婦にとって、この改正は決して他人事ではない、ライフプランに直結する重要トピックです。
今回は、不動産のプロとしての視点も交えながら、最新の変更点を分かりやすく解説します。
1. なぜ今、民法が変わるのか?
これまでの日本の法律では、離婚後は「単独親権」といって、父か母のどちらか一方しか親権を持つことができませんでした。
しかし、これには以下のような課題がありました。
別居している親が子育てに関わりにくい。
養育費の支払いが滞り、子どもの生活が困窮する。
親子の交流が途絶え、子どもが「捨てられた」と感じてしまう。
今回の改正は、「離婚しても、父と母の両方が子どもの成長に責任を持つ」という、子どもの利益を最優先する考え方に基づいています。
2. 改正の3大ポイント:私たちの生活への影響
① 「共同親権」の選択が可能に(2026年4月施行予定)
最大の変更点は、離婚時に話し合いで「共同親権」か「単独親権」かを選べるようになることです。
共同親権を選んだ場合、離婚後も以下のような「子どもの人生を左右する重要事項」は、父母が相談して決める義務が生じます。
居住地(引っ越し・転居)の決定
進学先や転校の判断
大きな病気の治療方針(手術の同意など)
※日々の食事や習い事、緊急時の対応などは、一緒に住んでいる親(監護親)が単独で決めて良いとされています。
② 「法定養育費」制度の新設:具体的な金額は?
今回、非常に注目されているのが「法定養育費」です。
これまでは養育費の取り決めをせずに離婚すると、後からの請求が大変でした。
今後は、たとえ合意がなくても法律に基づいた最低限の金額をすぐに請求できるようになります。
想定される金額: 現在の議論では、**「子ども1人につき月額2万円程度」**が基準になると見られています。
メリット: 「相手と話し合いたくないから」と諦めていたケースでも、この制度を使えばスピード感を持って子どもの生活費を確保できます。もちろん、年収に応じてこれ以上の金額を協議で決めることも可能です。
③ 財産分与の請求期限が「5年」に延長
これまでは離婚から「2年」だった財産分与の期限が、「5年」へと大幅に延びます。
特に20代・30代でマイホームを購入している場合、離婚直後のバタバタした時期に「家をどうするか」という重い決断を下すのは困難です。
5年という猶予ができることで、住宅ローンの整理や売却のタイミングを、より有利に、冷静に判断できるようになります。
3. 不動産屋の視点:共同親権が「住まい」に与える影響
共同親権を選ぶ場合、不動産実務においても新しいルールへの理解が必要です。
「勝手な引っ越し」ができなくなる可能性: 共同親権では「居所の指定」が共同事項になります。別居親に無断で遠方の実家に移ったり、子連れで再婚・転居したりする場合に、相手の同意が必要になる、あるいはトラブルになるリスクがあります。
資産価値と学区: 進学先を共同で決める必要があるため、特定の学校に通わせるために家を買う・借りるという選択が、将来的に父母間の合意というハードルを持つことになります。
4. まとめ:これからの「家族のカタチ」
今回の改正は、決して離婚を促すものではありません。
大切なのは、どんな状況になっても「子どもの未来を父母が支え続ける」ためのインフラが整ったということです。
20代・30代の皆さんは、これから資産形成や子育ての本番を迎えます。
今回の法改正をきっかけに、「もしもの備え」としてだけでなく、「お互いが子育てにどう責任を持つか」という価値観を共有する機会にしてみてはいかがでしょうか。
【FAQ】
Q: 法定養育費の「2万円」は少なすぎませんか?
A: あくまで「話し合いがまとまらない場合の最低保障」という位置づけです。実際には、裁判所が作成している「養育費算定表」に基づき、お互いの収入に応じた(例えば月5万〜10万円など)妥当な金額を改めて協議・請求するのが一般的です。
Q: 相手がDV(暴力)を振るう場合でも、強制的に「共同親権」になりますか?
A: いいえ。DVや虐待の恐れがある場合は、裁判所が「単独親権」と判断します。子どもの安全を脅かすような形での共同親権は認められませんので、ご安心ください。
Q: 共同親権になったら、子どもの進学先(受験など)はどうやって決めるの?
A: 進学や転校は子どもの将来を左右する「重要な事項」にあたるため、原則として父母双方の話し合いによる合意が必要です。もし意見が対立してどうしてもまとまらない場合は、家庭裁判所に申し立てを行い、裁判所に判断を委ねることになります。なお、日常的な学習塾や習い事の決定などは、同居している親が単独で決めて良いとされています。



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