神戸市北区の大家さん必見!トイレタンクの「ペットボトル節水」が招く水漏れトラブルと、退去立会で損をしないための確認ポイント」
- 石田敦也

- 4月23日
- 読了時間: 6分
更新日:5月16日
「トイレの水が止まらないんですが」
神戸市北区で管理している物件の入居者さんから、そんな連絡が入りました。よくあるトラブルです。浮き球の不調かチェーンの外れかな、と見当をつけて、すぐに付き合いのある水道業者さんに連絡して現場へ向かってもらいました。
業者さんから折り返しの電話があったのは、その日の夕方でした。
「タンクの中に空き瓶が2本入ってて、それが浮き球のチェーンに引っかかってました」
入居者さんに確認すると、「ペットボトルなんて入れた覚えはない」とのこと。つまり、これは前の入居者さんが入れたものだったわけです。
善意の節水が、次の入居者に迷惑をかける構造
「トイレのタンクにペットボトルを入れると節水になる」という話は昔から広く知られていて、エコ意識の高い入居者さんほど実践されている印象があります。節水すること自体は、私も個人的にはとてもいいことだと思っています。
ただ、今回のように前の入居者さんが空き瓶を入れたまま退去すると、その善意が次の入居者さんへのトラブルとして現れることがあります。
理由は大きく2つあります。
1つ目は、物理的な故障リスクです。タンクの中には浮き球や給水を制御するチェーンなど、繊細な部品が入っています。空き瓶はタンクの中で固定されていないので、水の動きに合わせて少しずつ動く。それがこれらの部品に引っかかると、今回のように水が止まらなくなったり、逆に給水されなくなったりします。
2つ目は、排水詰まりの問題です。トイレというのはメーカーが「この水量で汚物をきちんと流しきる」という前提で設計されています。タンクの容量を勝手に減らすと、設計上必要な水量を下回り、配管内に汚物が残る。これが蓄積すると、配管の詰まりという、ペットボトルよりはるかに大きなトラブルに発展します。
節水しようとしたはずの工夫が、結果として水道業者の出動を招き、次の入居者さんの生活を止めている。何のための節水だったのか、という話になってしまうわけです。
今回の修理費、誰が払うべきなのか
ここで大家さんに考えてほしいのが、費用負担の問題です。
今回のケースでは、水道業者さんの出動費と修理費が発生しました。では、この費用は誰が払うべきなのか。
今の入居者さんが払うのは、筋が通りません。入れたのは前の入居者さんですから。 では前の入居者さんに請求できるかというと、すでに退去して精算も終わっています。連絡を取ること自体は不可能ではありませんが、「退去から数ヶ月後にトイレのタンクのペットボトルの修理代を払ってください」と言って素直に応じてもらえるかというと、現実には相当難しい。 結果として、この費用は大家さん負担になる可能性が高くなります。
国土交通省の原状回復ガイドラインの考え方でいえば、通常使用の範囲を超えた改変による破損は、本来は入居者負担の方向で整理されます。ただこれは「退去時の精算」が前提の話で、退去してしまった入居者に後から請求するのは、法的には可能でも実務的にはほぼ難しい。
つまりこの話、ルール以前に「いつ発見するか」で結果が大きく変わってくるわけです。
退去立会の時、タンクの蓋を開けていますか
ここが今回いちばん伝えたい部分です。
自主管理をされている大家さんにお聞きしたいのですが、退去立会の時、トイレのタンクの蓋を開けて中を確認されていますか。
おそらく、多くの方が「そこまでは見ていない」という答えだと思います。無理もありません。タンクの中を確認するという発想自体、普通は持ちませんし、そもそもタンクの蓋が外れるということを知らない方も多いです。
正直に言うと、私もこの件があるまでは、退去立会でタンクの蓋までは開けていませんでした。それがこのトラブルをきっかけに、毎回必ず開けるようになりました。空き瓶はもちろんですが、他にも、水漏れの予兆になるサビ、部品の劣化、パッキンの傷みなど、タンクの中には次の入居者に引き継ぐ前に潰しておくべきサインがいくつも出ています。
特に神戸市北区のように築年数の経った賃貸物件が多いエリアでは、トイレ設備そのものの経年劣化と、入居者さんの善意の工夫(空き瓶を含め)が重なって、思わぬ形でトラブルが顕在化することがあります。新しい物件ならメーカー想定通りに動いてくれる部品も、築20年30年の設備だと、ちょっとした異物で一気に不調になる。ここは地域特性として意識しておくべきポイントです。
今回のケースは、前の退去立会の時にタンクの蓋を開けていれば、その場で空き瓶を撤去でき、今の入居者さんにクレームを入れさせることもなく、水道業者の手配費用も発生しなかった、ということになります。
現場を知っている人間が立ち会うということ
今では退去立会で、トイレのタンクは必ず開けます。他にもエアコンのフィルター、換気扇の内部、給湯器のエラー履歴、ベランダの排水溝、建具の調整状態──見るべき箇所はいくつもあって、そのひとつひとつに「過去にここで痛い目を見た」という理由があります。
結局のところ、現場の目というのは経験の蓄積でしかありません。一件のトラブルから、次の立会で見るポイントが一つ増える。その繰り返しです。
自主管理を否定するつもりはありません。しっかりされている大家さんもたくさんいらっしゃいます。ただ、「気づけないリスク」というものがあって、それは情報量や経験値で差がついてしまう領域です。そして今回のように、気づけなかったリスクは、数ヶ月から数年遅れで、予想もしない形で顔を出します。
よくあるご質問(Q&A)
Q1. 節水のためにタンクへ物を入れるのは、一律で禁止すべきですか?
A1. はい、基本的にはおすすめしません。最近のトイレは計算された水量で流れるように設計されており、水量を減らすと配管詰まりの原因になります。もし節水を希望される場合は、市販の「節水型パッキン」への交換や、二段洗浄レバーの適切な使用を推奨するのが安全です。
Q2. 管理会社に任せず、大家さん自身でタンクの中を点検する際の注意点はありますか? A2. タンクの蓋は非常に重い陶器製が多く、落とすと割れるだけでなく床や便器を傷つけるリスクがあります。また、手洗い管がつながっているタイプは、強引に開けると内部の管を破損させ、その場で水が噴き出すこともあります。慣れていない場合は、退去立会などのタイミングで、構造を熟知したプロに確認を任せるのが最も確実で安全です。
Q3. トイレタンク以外に、見落としがちな「退去時のチェックポイント」はありますか? A3. エアコン内部の「ドレンホース(排水管)」の詰まりや、洗濯機パンの「排水トラップ」の部品欠品などはよく見落とされるポイントです。これらも次の入居者さんの入居直後にトラブル(水漏れや異臭)として現れやすいため、タンクと同様に目視で確認しておくべき箇所です。
神戸市北区・芦屋市・西宮市で賃貸管理をご検討の大家さんへ
ダイヤモンドコンサルティングは、神戸市北区・鈴蘭台エリアを拠点に、神戸市内および兵庫県内の賃貸管理・不動産売却のご相談を承っています。
「自主管理が限界を感じてきた」「退去後に発覚するトラブルで困ったことがある」「管理会社を変えたいが、どこに頼めばいいか分からない」といったお悩みがあれば、まずは気軽にLINEからご相談ください。
タンクの蓋を開けるところから、お付き合いが始まります。


コメント