AIで自動化した仕事を、一枚の「業務ボード」にまとめてみた


AIに仕事を任せる話は、たいてい「これをやらせたら早かった」で終わります。
私もこの半年ほど、毎月同じ形で回ってくる仕事を、ひとつずつAIに渡してきました。
請求書を作る。報告書をまとめる。家賃台帳に入力する。決まった相手に、決まった書類を送る。
うまくいきます。
その場では、確かにうまくいくのです。
ところが、困ったのはその次でした。
一回ごとはうまくいく。でも、次がない
うちは小さな会社で、毎月決まった仕事がそれなりにあります。
難しい仕事ではありません。
ただ、忘れると相手に迷惑がかかる。
そういう仕事が多いのです。
AIに頼むと、そのときは気持ちよく片づきます。
ところが翌月になると、
「これ、前にどうやって頼んだっけ?」
となる。
どのファイルを渡したのか。
AIに何と指示したのか。
出来上がったファイルはどこに保存したのか。
それを思い出せないので、また最初から説明することになります。
せっかく作った自動化が、
「あのときは動いた」
で終わってしまう。
保存する方法がないわけではありません。
会話をピン留めする。
手順をメモに保存する。
プロジェクトにまとめる。
いろいろな方法があります。
でも、プログラムを書いたことのない私には、どうにも分かりにくかった。
どれとどれを使い分ければいいのか。
今回作ったものは、どこに置けばいいのか。
どの単位で保存すればいいのか。
名前は分かっても、判断する基準が分からないのです。
結局、いろいろな場所に中途半端に保存されて、今度は「どこに何があるのか分からない」という状態になりました。
そこで気がつきました。
道具が足りなかったのではなく、仕事の置き場所がなかったのです。
そこで、一枚の「業務ボード」を作ってみた

だったら、置き場所を覚えるのをやめよう。
そう考えて、今ある仕事を全部、一枚の画面(ダッシュボード)に載せてみました。
ブラウザで開くだけの、自分専用の業務ボードです。
画面の上には、Googleカレンダーから読み込んだ今月の予定。
その横には「今月やること」。
その下には請求書の送付チェック。
さらに下には、管理している物件の巡回チェックがあります。
そして、それぞれの仕事について、AIに任せているのか、自分でやる仕事なのかも分かるようにしました。
今まで頭の中や、いろいろな場所に散らばっていたものを、一枚の画面に集めたわけです。
特別な指示を書いたわけではない
ここは、AIでこういうものを作ってみたい人には伝えておきたいところです。
今回の業務ボードを作るために、私は特別なプログラムを書いたわけではありません。
難しいプロンプトを覚えたわけでもありません。
AIに、
「毎月の仕事と、自動化した仕事を一覧で確認できる業務ボードを作りたい」
というところから始めました。
あとは、
「ここにGoogleカレンダーを表示したい」
「この仕事は毎月リセットしたい」
「終わったらチェックを入れたい」
「物件ごとに巡回・送金・写真を確認したい」
「AIへの指示文もカードに入れておきたい」

というように、自分が欲しいものを日本語で一つずつ伝えていきました。
私が使ったのは、AIに用意されている「アーティファクト」や「ボード」といった機能です。
以前の私は、こういうものを作ろうとすると、
「プログラミングを勉強しないと無理だろう」
と思っていました。
でも、実際にやってみると少し違いました。
何を作りたいのかを普通の言葉で説明し、出来上がったものを見ながら修正していく。
これで、かなりのところまで作れます。
もちろん、最初から完璧なものができるわけではありません。
「ここは違う」
「この表示はいらない」
「ここをクリックしたら、こうしてほしい」
と何度か修正します。
でも、それはプログラムを書くというより、自分の仕事をAIに説明していく作業に近いものでした。
自動で動く仕事は、別の場所に置かない
業務ボードには、自動化してしまった仕事も載せました。
毎朝7時半。
毎晩9時。
3分おき。
人が何もしなくても動いているものを、時刻つきで一覧にしています。
ここには「自動」という表示を付けています。
これを見ると、
「これはもう自分がやる仕事ではない」
とすぐ分かります。
以前は、
「確か毎朝これが動いているはず」
と頭の片隅で覚えていました。
今は覚えていません。
画面に書いてあるからです。
これは意外と大きな違いでした。
「今月やること」も一覧にする
毎月発生する仕事は、チェックリストにしました。
たとえば管理報告書や請求書などです。
日付を選ぶと、その仕事が隣のカレンダーにも表示されます。
終わったらチェックを入れる。
これだけです。
月が変われば、また新しい月の仕事として確認できます。
「今月、何をやらなければならないのか」
を頭の中で覚えておく必要がなくなりました。
現場の仕事も同じ画面に入れた
不動産管理の仕事も、この中に入れています。
物件ごとに、
巡回
家賃送金
報告書作成
の3項目を確認します。
3つが揃えば、その物件の表示が変わるようにしました。
管理物件が増えてくると、
「どこまでやったか」
を覚えておくこと自体が仕事になってしまいます。
そこで、覚えることをやめました。
終わったものはチェックする。
それだけです。
AIへの「頼み方」もカードに入れた
これも、私にとってはかなり便利でした。
それぞれの仕事にカードを作って、
AIに渡す材料
AIにやってもらうこと
出来上がったもの
保存先
AIに投げる指示文
をまとめています。
つまり、
「前回、AIにどう頼んだか」を覚えておく必要がありません。
カードを開いて、指示文をコピーする。
必要なファイルを渡す。
AIに実行してもらう。
これだけです。
AIの使い方を覚えるというより、AIへの頼み方を業務の一部として保存したという感じです。
Googleカレンダーとは役割を分けた
最初は、この業務ボードですべてを管理しようかとも考えました。
でも、それはやめました。
Googleカレンダーには、もともと検針日や送金日などの予定が入っています。
そこで、業務ボードからGoogleカレンダーの予定を読み込むだけにしました。
書き込むのはGoogleカレンダー。
仕事が終わったかどうかを確認するのは業務ボード。
「予定」と「進み具合」を分けたわけです。
このほうが、私には分かりやすかった。
作ってみたら、自分の仕事まで整理された
実は、これが一番意外でした。
業務ボードを作ることよりも、ボードに載せる仕事を整理する過程で、自分の頭の中が整理されたのです。
一つひとつの仕事について、
「これは自動なのか?」
「これは自分がやるのか?」
「毎月なのか?」
「都度発生するのか?」
「何を渡せばいいのか?」
「出来上がったものはどこへ行くのか?」
を決めなければなりません。
そうやって一つずつ並べていくと、今まで漠然としていた仕事の形が見えてきました。
そして、もう一つ気づいたことがあります。
まだ全部、人間がやっている仕事がある。
たとえば、
書類を作る。
印刷する。
封筒に入れる。
投函する。
ここまで全部、人間がやっています。
それも同じ画面に並べてみました。
すると、
「次に自動化するなら、これだな」
という仕事が自然に見えてきます。
業務を整理すると、自動化する順番まで見えてくるのです。
何でもAIに任せるわけではない
もう一つ、意識して残したことがあります。
最後の「押す」は人間がやる。
という線引きです。
たとえば、
メールの送信
FAXの送信
ファイルの削除
こうした操作は、AIに最後まで任せず、自分で実行します。
AIには、
下書きと確認まで。
最後の送信ボタンや削除ボタンは、自分で押す。
この線引きをしておくと、かなり安心できます。
特に不動産の仕事では、間違って送信したり、必要なファイルを削除したりすると、それだけでは済まないことがあります。
便利だからといって、全部を自動化すればいいわけではありません。
「どこまでAIに任せるか」を決めることも、自動化の一部だと思っています。
一日で作った。でも、一日で「完成」したわけではない
今回の業務ボードを形にするまでにかかったのは、半日です。
私はプログラムを一行も書いていません。
「こういうものが欲しい」
と日本語で説明して、出来上がったものを見て、
「ここが違う」
「こうしてほしい」
と伝える。
その繰り返しです。
途中、日付を選んでもカレンダーに反映されないという不具合もありました。
そのときは画面のスクリーンショットを渡して、
「反映されません」
と伝えました。
すると、保存したデータを読み戻すときの扱いに原因があることを突き止め、その場で修正してくれました。
原因の説明も日本語です。
ただ、半日でできたからといって、誰でも半日で同じものができる、という話ではありません。
私の場合も、
「何を表示したいのか」
「どういう順番にしたいのか」
「どこまで自動化するのか」
を考えながら修正しています。
AIが作る時間より、自分の仕事を整理して説明する時間の方が重要でした。
AIの保存方法より、先に仕事を並べてみる
AIで作ったものを、どこに保存すればいいのか分からない。
以前の私は、そこから考えていました。
でも、今は少し違います。
先に、
「自分の仕事を全部並べてみる」
のです。
自動化されている仕事。
まだ自分でやっている仕事。
毎月やる仕事。
その日にしか発生しない仕事。
AIに頼む仕事。
最後は自分で確認する仕事。
全部を一枚に並べる。
そうすると、
「これはここに置こう」
「これは毎月の仕事だ」
「これは自動化できそうだ」
ということが、だんだん見えてきます。
保存方法を覚えてから整理するのではなく、
整理してみたら、保存場所も自然に決まってきた。
私の場合は、そうでした。
一年ほどかけてバラバラに増えてしまったAIの自動化や定例業務を、半日かけて一枚の画面にまとめました。
そして、できあがったのは単なる「AIの作業置き場」ではありませんでした。
自分の会社が、今どんな仕事をしているのかを、一目で確認できる場所になりました。
AIで一つの仕事を自動化する。
それだけなら、以前からできました。
でも、本当に便利だったのは、
「AIに何をさせたか」ではなく、「自分が何をしなければならないのか」が見えるようになったことでした。
小さな会社ほど、業務を整理する専任の人はいません。
だからこそ、AIに仕事を任せる前に、まず一枚の画面に全部並べてみる。
私には、この順番のほうが合っていました。



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