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1年で退去されると大家さんは赤字になる|仮住まいの申込をそのまま受けない理由

  • 執筆者の写真: 石田敦也
    石田敦也
  • 1 分前
  • 読了時間: 4分

短期入居はなぜ大家さんが損をするのか

【結論】


建て替えやリフォームの仮住まい需要は、基本的にお断りしています。


受けるなら、条件を組み替えてから受ける。


そのままの募集条件で契約すると、大家さんが損をするからです。


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■募集条件は「4年住む人」を想定して作られている


賃貸の募集条件は、平均入居期間を前提に組まれています。


ファミリータイプなら3〜4年。


だから礼金がリフォーム代より安くても成り立つし、広告料1ヶ月を払っても回収できる計算になります。


礼金で足りない分は、入居期間中の賃料で埋まる前提だからです。


その条件表を、1年で出ていく人にそのまま当てはめる。


計算が合わないのは当然です。


借主が悪いわけではありません。


想定していない客層に、想定を変えないまま条件を出しているだけです。


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■1年退去の実額


賃料10万円の物件で計算します。


仲介手数料と広告料で20万円。


募集期間の空室2ヶ月で20万円。


退去後の原状回復で15万円。


初期に55万円出ていって、回収が終わるまでに半年以上。


そこからようやく利益が出始めるのに、1年で退去。


これでは赤字か、良くて薄利です。


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■見抜けないし、嘘は確認できない


正直に書きます。


僕も昔は短期解約の違約金特約を入れていませんでした。


その結果、複数の大家さんに1年退去の損失を負わせています。


仮住まいかどうかは、申込書では分かりません。


入居理由に「転居の為」と書かれたら、それ以上は追えない。


持ち家でも、売却予定と言われればしょうがない。


現住所が徒歩圏内、入居日をやたら急ぐ、といった兆候はあります。


ただ兆候は根拠にならないので、それだけで断ることはできません。


だから「見抜く」前提の対策は成り立たない、と考えています。


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■募集図面に違約金額を明記する


やることは単純です。


募集図面の条件欄に、短期解約違約金を書いておく。


1年未満の解約で賃料1ヶ月分。


金額まで書きます。


「特約あり」だけでは意味がありません。


これは退去時に取り立てるための条項ではなく、申込前のフィルターです。


1年で出る予定の人は、図面を見た時点で自分が該当すると分かる。


そこで申込を避けるか、事情を話すことになります。


嘘をついて入っても違約金は発生するので、嘘をつく意味がなくなる。


見抜く必要がなくなるのが、この方法の一番の効果です。


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■受けるなら、礼金を上げる


事情が分かった上で契約する場合は、条件を組み替えます。


優先するのは賃料より礼金です。


違約金は退去時の後払いなので、原状回復費と重なると回収で揉める。


礼金は契約時に取り切っているので、いつ出て行かれても確定しています。


仮住まい向けの供給は薄く、借主は持ち家所有者で支払い能力も高い。


条件を組み替えれば、断らずに受けられる案件になります。


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この歪みを止められる人は限られている


早期退去の損は、仲介の立場からは見えません。


申込が入って審査が通れば仕事は終わりで、1年後の損益は入ってこない。


退去はむしろ、次の募集機会になります。


止められるのは、募集条件を決めている側だけです。


自主管理の大家さんが自分で募集すると、目の前の申込が想定外だと気づかないまま部屋を埋めてしまいます。


管理を任せる意味は、募集を代行してもらうことではありません。


想定と違う客が来たときに、条件を組み替えるか断るかを判断してもらうことにあると思っています。


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【よくあるご質問】


Q. 違約金を書くと募集が不利になりませんか。


A. 長期で住む予定の方には関係のない条項なので、申込は減りません。減るのは短期予定の申込だけです。むしろ注意したいのは、募集が長引いたときに「この特約を外せば決まるのでは」と考えてしまうことです。そこで防御が消えます。


Q. 違約金を2ヶ月分にできますか。


A. 消費者契約法10条で無効と判断されるリスクが上がります。1年未満で1ヶ月分が無難な線です。抑止を広げたいなら、「1年未満は1ヶ月・2年未満は0.5ヶ月」と二段にする組み方があります。


Q. 定期借家契約にすればいいのでは。


A. 仮住まいだと分かっている場合は有効な手です。ただ相手が正直に申告してくれた場合しか使えないので、全契約に標準搭載する対策にはなりません。


Q. すでに入居中の場合はどうなりますか。


A. 契約後に違約金を追加することはできません。次の募集から条件に入れる形になります。


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【著者】


石田敦也 / (有)ダイヤモンドコンサルティング


宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・相続診断士


神戸市・芦屋市・西宮市エリアで、不動産売買・賃貸管理・相続のご相談を承っています。



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