top of page

マクドナルドに学ぶ、家賃相場をリセットする「ビジネスフォーム」という逆張り不動産経営

  • 執筆者の写真: 石田敦也
    石田敦也
  • 5月30日
  • 読了時間: 6分





マクドナルドのような不動産経営、はじめてみませんか。


マクドナルドの本質は「ハンバーガー屋」ではなく「不動産業」だという話をご存知でしょうか。本部は土地と建物を確保し、店舗を建てて、フランチャイズ加盟店に貸し出しています。賃料収益が本部利益の約6割を占める「巨大な大家さん」です。


この仕組みを、神戸市の土地活用にスライドさせる。周辺の家賃相場にとらわれない、こういうやり方もあります。


大手ハウスメーカーが持ってくる「どこにでもあるアパートの提案書」に判を押す前に、少しだけこの「逆張りの戦略」に耳を傾けてみてください。




焼き肉チェーン店の店舗開発が本当に恐れていたもの


以前、私が焼肉チェーンの大手店舗開発の方と物件を探していた時のことです。


彼らはよく「近くにマックやコンビニがあれば、社内の出店決済はすぐ降りるんですが、、、」と言っていました。マクドナルドの徹底された出店調査の精度にタダ乗りしたい、という本音です。


しかし、彼ら出店者が本当に恐れていたのは、マクドナルドとの距離ではありません。「失敗した時の、数千万円から億単位にのぼる内装・厨房設備の初期投資がすべてが無駄になる恐怖」です。


今の時代、建築費や資材高騰の波を受け、お店や事務所を一つ構えるためのイニシャルコストは数年前の1.5倍〜2倍に跳ね上がっています。どれだけ腕があり、やる気があるプロフェッショナルであっても、この「初期投資の壁」が高すぎて、独立や開業を諦めてしまうのが今の地方都市のリアルです。


ここに、個人の地主・大家が勝てる「ブルーオーシャン」があります。




繁華街の「リース店舗」の仕組みを、街中の物件に逆輸入する


かつて、繁華街の雑居ビルには「リース店舗(造作付き店舗)」と呼ばれる仕組みが当たり前にありました。カウンターや厨房設備、内装が最初から出来上がっており、明日からでも営業できる状態の物件です。


家賃には、オーナーが投資した内装費用と利益が乗っているため、当然、周辺の相場よりも高く設定されています。しかし、「資金はないけど、自分の腕を試したい」という店主たちがこぞってチャレンジしていました。


これこそが、個人の不動産オーナーができる「マクドナルド方式」です。

なぜ、これを神戸の生活道路沿いや、駅前、あるいは住宅街に眠っている古い空き店舗やビル、中途半端な土地でやらないのでしょうか。


不動産を更地やスケルトンで貸し出すから、周辺の坪単価の叩き合いに巻き込まれ、ハウスメーカーから「アパートしかありません」と言われてしまうのです。地主・大家側が「すぐに商売や仕事ができるハコ」を初期投資してパッケージとして貸し出す。初期投資の額は決して小さくありませんが、その分を家賃に乗せて長期にわたって回収していく。これが、価格競争から抜け出す一つの道です。




狙うべきは「修行から独立」という、不変のパターン


ここで最も重要になるのが、ターゲットの絞り込みです。「他所で何年も厳しい修行を積み、腕は一流なのに、開業資金の壁で足踏みしているスペシャリスト」を最初から待ち構える。これがこの戦略の核心です。


修行というのは過酷なものです。低い給料で何年も耐え、技術を磨きながら、その傍らで少しずつ開業資金を貯めていく。しかし今の時代、どれだけ節約しても、初期投資に必要な数百万円から一千万円超という金額は、普通のサラリーマンが給料から捻出できるレベルをはるかに超えています。


「腕は一人前になったのに、お金がない」という理由だけで、夢の独立を何年も先送りにしている職人やスペシャリストが、この街にも必ずいます。


このビジネスフォームは、その「貯める苦労」ごと不要にします。


たとえばパティシエや職人であれば、有名店で技術を磨いた末に独立を夢見た瞬間、特注オーブンや大型冷蔵庫など数百万から一千万超の厨房機器の壁に絶望します。


そこにオーナー側が菓子製造許可付きの厨房をパッケージで用意していれば、彼らは二つ返事で借りに来ます。


美容師も同じです。エリアの人気店でトップスタイリストになり、指名客をガッチリ掴んだ後、ボイラーや水回りの配管工事費に躊躇して独立を踏みとどまっているケースは今も後を絶ちません。


シャンプー台と配管が最初から揃っていれば、彼らはリスクなく「明日にでも」自分の城を持てます。


独立する士業や一人社長もそうです。デスク、高速Wi-Fi、複合機が揃ったセットアップオフィスがあれば、パソコン一つで翌日から仕事を始められます。


業種は違っても、構造はすべて同じです。腕はある、お客もいる、ただし初期投資の壁が高すぎる。そこをオーナー側が「仕組み」として肩代わりする。これが「ビジネスフォーム」の正体です。


彼らは熱量が高いため、立地が多少悪くてもSNSや口コミで勝手にお客を呼び、ビジネスを軌道に乗せます。オーナー側は、彼らの技術力を見込んで初期投資を決断し、その分を相場より高い家賃として長期で回収していく。スケルトンで貸し出すだけでは生まれない関係性です。


オーナーの方は、「どんなビジネスフォームを用意するか」という上流の戦略設計に集中していただければ十分です。




「失敗のコスト」を下げる、これからのプラットフォーム


「でも、もし店や会社が上手くいかずに潰れてしまったら、内装投資がムダになるのでは?」


そう心配されるかもしれません。しかし、本質は真逆です。


借主の側から見れば、莫大な借金を背負って出店するわけではないため、「もしダメなら、数ヶ月分の家賃と身一つでいつでも撤退し、また別の場所でステップアップへ進める」という低リスクの挑戦ができます。


だからこそ、優秀なプレイヤーが次々と打席に立ってくれます。


オーナーの側から見れば、たとえ最初の店がダメだったとしても、内装や基本設備、インフラはそのまま残ります。世の中には、今年も来年も、別の有名店で修行を終えて「自分の城を持ちたい」と目を輝かせている次のチャレンジャーが必ず順番待ちをしています。


スケルトン物件のように何ヶ月も次の募集を待つ必要はなく、次のプロへすぐに「ハコごと」再利用して貸し出すことができます。


ダメならいつでもやめて次にいける「流動性」を借主に提供する代わりに、オーナーは「また次のプロが借りてくれる」という手応えを積み重ねながら、初期投資を着実に回収していくことができる。




テンプレの土地活用に、サヨナラを


人口減少が進むこれからの神戸市で、競合と同じようなアパートを建て、空室リスクに怯えながら家賃を下げていく経営に未来はありません。


大手チェーンのような何百坪もの大土地を持っていなくても、街中の中途半端な土地や、使い道に困った古い空き店舗、ビルの空き室だからこそ、「大手が手を出せない、地域の若いプロの独立ハードルを下げるプラットフォーム」としての価値が光ります。


あなたの土地や物件が、次の誰かの「はじまりのハコ」になる。そういう不動産経営の形が、この街にはまだほとんど存在していません。


コメント


神戸市北区の不動産相談|ダイヤモンドコンサルティング

〒651-1113神戸市北区鈴蘭台南町6-12-48 

​すずらんエクセル2A

☎︎078-600-2292

bottom of page