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相続した東灘区の狭小住宅が、隣地交渉で建売用地に化けた話─不整形地を諦める前に

  • 執筆者の写真: 石田敦也
    石田敦也
  • 18 時間前
  • 読了時間: 6分
相続した東灘区の狭小住宅が、隣地交渉で建売用地に化けた話


阪神間、特に東灘区や灘区では、

相続をきっかけに不動産が動くことが少なくありません。

ただ、いざ売却しようとしても、


  • 建物が古い(昭和の家)

  • 土地が20坪以下と狭い

  • 駐車場が作れない

  • 間口が狭い


こうした理由から、

「市場で売れにくそうだから、動けない」

と諦めてしまわれる方もいらっしゃいます。

しかし、不動産の価値は今ある境界線の内側だけで決まるとは限りません。

今回は東灘区御影で実際にあった、相続した狭小住宅を、隣地との調整によって建売用地として再構成し、早期売却につながった事例をご紹介します。





相続した古家。売るか住むか迷われていた


ご相談をいただいたのは、垂水区にお住まいの方でした。

東灘区にあるご実家を相続されたものの、

ご自身たちで住むかどうか迷われていたが、

結局手放すことに決められたという。


現地で拝見したのは、昭和の頃に建てられた3DKの小規模住宅。

敷地は20坪弱。駐車場はありません。

リフォームをすれば住めないことはない。

ただ、現在の購入希望者が求める「4LDK駐車場付き」という条件を満たしておらず、

一般市場で売り出しても買い手が見つかるまで長期化する可能性が高い物件でした。

建売業者へ打診しても、


「この広さでは単体で分譲住宅が組みにくい」

という反応になることが予想できました。





測量図を見ながら感じた。「惜しい、、」


会社へ戻り、謄本や測量図をネットで取りました。

阪神高速の近くではあるものの、御影徒歩圏。

立地そのものは悪くありません。

時間をかければ売れない物件ではない。

最初はそう感じました。


ただ、測量図を見ながら何度も思いました。

惜しい。あと少し広ければ。

今回の土地自体は比較的整った形をしていました。


問題は奥側の隣地でした。

隣接する事業者所有地の一部が不整形になっており、

その影響で周辺全体の土地利用効率が落ちていたのです。

もし、その不要部分も一緒に売却できれば、、、


20坪弱だった土地は30坪前後へ広がる可能性がある。

このエリアでは、「20坪」と「30坪」で建売業者の評価が大きく変わります。

30坪前後あれば、駐車場付き住宅を無理なく計画できるためです。

土地は数坪違うだけで、価値や出口が変わることがあります。





先輩営業マンから学んだことを思い出した


実はこうした考え方は、サラリーマン時代に尊敬していた

先輩営業マンから学んだものでした。

芦屋の難しい案件で、隣地との調整や分筆・合筆を組み合わせ、

土地の価値を変えていく仕事を見たことがあります。


当時の私は、

「土地は広さや形だけで決まるものではない」

ということを、その仕事から教わりました。

測量図や査定額だけを見ると難しい案件でも、

所有者同士の調整や使い方によって出口が変わることがある。

御影の測量図を見たとき、その時のことを思い出しました。

「あの方法なら、この土地でも可能性があるかもしれない」

そんな感覚でした。





業者の見立ても同じだった


一般市場で時間をかけるより、まずは付き合いのある買取業者へ相談しました。

買取だけでなく建売も行う会社です。

現地確認後、返ってきた言葉は予想通りでした。


「流通性が低く、リフォームに費用がかかるので、

買取価格はどうしても安くなる。」


「奥の土地の一部が一緒に買えれば、建売でいける。」


やはり、と思いました。

立地に問題はなく、面積が足りないだけだったのです。




売主さんには、一つだけ可能性を伝えた


媒介契約を結ぶ際、売主さんへこうお話ししました。


「奥の土地の一部が買えれば、もう少し良い条件になる可能性があります。

ただ、確約はできません」



相続された土地を売却される方に、

可能性の低い話で喜ばせてもいけないと

考えているからです。


ただ、

「他に方法はなかったのだろうか」

と後から思われないよう、

判断材料として共有しておく必要はあると感じました。





断られる前提で、隣地のインターホンを押した


媒介契約後。

同時にリフォーム見積もりを進めながら、

もう一方で奥の土地所有者のインターホンを押しました。

正直、断られる前提でした。


事情を説明し、

「もし差し支えなければ、一部土地を一緒に売ってもらえないでしょうか」

と相談しました。


すると意外な返答がありました。

「検討してみてもいいですよ」

話を聞くと、その出っ張った部分は特に利用しておらず、

なくなっても支障はないし、うちの土地も整形地になって

綺麗になるからと、言って頂けました。


ここから状況が大きく変わります。





二つの契約を、一つの取引へ組み立てる


最初に見てもらった建売業者を買主とし、


  • 相続されたオーナー様

  • 隣地所有者


この二者を売主とする契約を同時進行で組み立てました。

測量を手配し、分筆・合筆を進め、最終的には約30坪の住宅用地として再構成。


駐車場付き住宅が無理なく計画できる土地になったことで、

建売業者との交渉もスムーズに進み、

当初予想していたより早い段階で成約へ至りました。


測量と分筆に時間はかかりましたが、

長期間の固定資産税負担や維持管理を心配されていた売主さんにとって、

早期に整理・現金化できたことは大きな安心材料になったと思います。





相続した土地は「狭いから売れない」とは限らない


相続した土地は、

「古い家だから」「20坪しかないから」「間口が狭いから」

と最初から諦めてしまわれることがあります。

ただ、売却前に確認したいことがあります。


  • 隣地はどんな人が住んでいるか

  • 隣地との調整余地はあるか

  • 分筆・合筆で改善できないか

  • 物件の流通性を考えているか

  • 解体費の見当はついているか


土地の価値は、現在の状態だけで決まるとは限りません。





相続した土地は、「売れない」のではなく、

まだ出口が見つかっていないだけかもしれない


今回の案件で、一番価値があったのは測量でも分筆でもありません。

「隣に聞いてみる」というーーちょっとした気づきーーだったのかもしれません。


古い家。20坪弱。駐車場なし。

一般的には売りにくい条件が揃っていました。


ただ、測量図を見直し、隣地との関係を整理し、

利用方法を変えることで出口が見つかりました。


相続した土地を処分するとき、

「この査定額が限界だろう」と感じることもあります。


けれど、不動産は形や広さだけでなく、

組み合わせ方や使い方で価値が変わることがあります。


「売れないかもしれない」と諦める前に、

一度違う出口を探してみることで、

相続された資産の活かし方は変わることがあります。




【執筆者】


石田敦也/ダイヤモンドコンサルティング

宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・相続診断士

対応エリア:神戸市・芦屋市・西宮市


神戸で長年、不動産売買・賃貸管理・相続相談に携わってきました。

客付けは仲介会社と連携し、相続や税金、不動産管理

に関するご相談を中心に対応しています。


このブログでは、現場で実際に起きた出来事をもとに、

売主さん・地主さん・相続資産をお持ちの方に向けて、

失敗を避けるための実務的な視点をお伝えしています。



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