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空室の家賃、AIで自分で相場を調べる方法 ― SUUMO・アットホーム・ホームズとコピーして使えるプロンプト

執筆者の写真: 石田敦也
石田敦也
15 時間前
読了時間: 6分
AIで賃料査定

空室が出たとき、管理会社から「募集賃料はこのくらいで」と提案されても、その金額が妥当なのかを大家さん自身が確かめる手段は、これまであまりありませんでした。


ポータルサイトを自分で眺めても、駅からの距離も築年数も広さも違う物件ばかりで、結局「なんとなく」で決めてしまう。そんな経験のある方は多いと思います。


いまは、Claude や ChatGPT といったAIが、パソコンのブラウザを操作してポータルから近くの物件を拾い、条件の違いを補正したうえで相場を計算し、募集の進め方まで一緒に考えてくれます。


当社でも、実際の管理物件を使って同じ流れを試してみました。この記事では、その手順を大家さんが自分でできる形に置き直し、そのままコピーして使えるプロンプト(AIへの指示文)の見本を付けてご紹介します。



まず知っておきたいこと:ポータルの賃料は「募集賃料」です



SUUMO・アットホーム・ホームズに出ている金額は、貸主側が「この金額で借りてほしい」と出している募集賃料です。


実際に契約が決まった成約賃料は、条件交渉や空室期間の長さによって、募集賃料より低くなることが少なくありません。成約賃料のデータは不動産会社専用のシステムにあり、一般には公開されていません。


ですので、ポータルの情報だけでAIに計算させた結果は、「決まる金額」ではなく「募集の上限の目安」として読んでください。


いちばん確かな材料は、あなたの部屋が前回いくらで決まったかです。管理会社に聞けばすぐに分かりますので、手元に用意しておくと、AIの答えを検証するときに役立ちます。



使う前の約束事



ポータルサイトの利用規約では、プログラムで大量に情報を集めることや、掲載内容を転用することが禁じられています。この記事の方法は、次の範囲で使ってください。


  • 自分のブラウザで、自分が見ている前で調べる(AIに操作を任せる場合も、普段自分で検索するのと同じ範囲にする)

  • 調べるのは自分の物件の最寄駅まわり、各サイト1〜2ページ程度にとどめる。自動で毎日集め続けるような使い方はしない

  • 使うのは賃料・面積・築年数などの数字だけ。写真や紹介文を自分の物件に流用しない



準備するもの



用意するのは、次の3つだけです。

  • 自分の部屋の情報(募集図面があれば、PDFや写真をそのまま添付できます)

  • 前回その部屋が決まったときの賃料と時期(管理会社に聞けば分かります)

  • ブラウザを操作できるAI。Claude なら Chrome の拡張機能(Claude in Chrome)、ChatGPT なら2026年9月に登場した GPT-6(Astra)の PC 操作機能です(Astra は執筆時点では Pro などの上位プラン向けです)



コピーして使えるプロンプト



下の文章をそのままAIに貼り付け、「私の部屋」の欄だけ書き換えてください。これ1つで、物件集めから相場の計算、アドバイスまで進みます。


【コピーして使うプロンプト】 私が所有する賃貸物件の空室について、家賃の相場を調べ、募集賃料のアドバイスをください。次の順番で進めてください。 ■私の部屋(分かる範囲で記入。図面があれば添付します) ・所在地(町名まで)、最寄駅と徒歩分数: ・種別と構造(マンション・アパート/RC・鉄骨・木造): ・間取りと専有面積: ・所在階と建物の階数: ・築年月: ・前回の成約賃料と管理費、決まった時期: ・設備・特徴(バス・トイレ別か、独立洗面台、室内の改装状況など): ■1.近い物件を集める ブラウザで SUUMO・アットホーム・ホームズを開き、同じ駅・専有面積が私の部屋の0.7〜1.5倍・同じ種別で検索してください。各サイトとも1〜2ページ目だけを見て、部屋ごとに「駅徒歩・築年数・階・間取り・面積・賃料+管理費・㎡単価」を表にしてください。同じ部屋の重複は1件にまとめ、写真や紹介文は不要です。ログインや問い合わせの操作はしないでください。ブラウザを操作できない場合はそう伝えてください。私が検索結果を貼り付けます。 ■2.条件の違いを補正して相場を出す 表から私の部屋に近い物件を6件選び、次の目安で㎡単価を補正して平均し、月額の目安を出してください。駅徒歩は1分遠いごとに−1%、築年数は1年古いごとに−0.8%、面積は2倍で㎡単価−15〜20%、1階は−3%、構造はRC1.00・鉄骨0.97・木造0.93。ポータルの金額は募集賃料なので、成約の見込みはさらに数%低く見てください。計算の過程はすべて表で示し、最後に検算してください。 ■3.アドバイス ・募集賃料の案を3つ(早く決めたい/標準/強気) ・前回の成約賃料との差と、その理由として考えられること ・家賃を下げる以外に決まりやすくする方法と、その費用対効果 ・この比較の弱点 断定できないことは「管理会社に確認すべきこと」として分けて書いてください。


このプロンプトで大事なところ



ポイントは2つです。一つは、集めた物件をそのまま平均せず、駅からの距離・築年数・広さなどの違いを補正してから比べることです。


これは不動産の査定で使う「取引事例比較法」と同じ考え方です。補正の目安は一般的な数字なので、AIが「この地域では変えたほうがよい」と言ってきたら、その理由も聞いてみてください。


もう一つは、計算の過程を表で出させることです。答えの金額だけを聞くと、AIがどの物件を根拠にしたのかが分からず、検証ができません。


ブラウザを操作できないAIやスマホで使う場合は、自分で3つのサイトを検索し、結果の一覧ページをコピーして(パソコンなら Ctrl+A → Ctrl+C、Macは ⌘+A → ⌘+C)、AIに貼り付ければ同じように進められます。



AIの答えをうのみにしないための3つの確認



実際に当社で試してみて、いちばん気を付けたいと感じたのは、ポータルの事例だけで計算すると、部屋によっては相場がかなり高めに出ることでした。特に次のような部屋は注意が必要です。


  • 2Kや2DKなど、今の単身者に選ばれにくい古い間取り

  • バス・トイレ同室(3点ユニット)や、洗面台がない部屋

  • 室内が長く手を入れられていない部屋


ポータルに並ぶ近くの物件は、改装済みで条件のよい部屋が多くなりがちです。駅距離や築年数の補正だけでは、こうした部屋ごとの差までは埋まりません。そこで、AIの答えを受け取ったら次の3つを確かめてください。


▼ 前回の成約賃料と比べる

AIの目安が前回の成約賃料より1割以上高い場合は、その差の理由を必ず考えます。相場が上がったのか、部屋に不利な点があるのか。答えによって、とるべき手が変わります。


▼ 部屋固有の不利な点を反映させる

「この部屋はバス・トイレ同室で、室内は未改装です。この点を踏まえて、目安をどのくらい下げて見るべきか、理由と一緒に教えてください」と追加で聞きます。最終的な下げ幅は、ご自身で判断してください。


▼ 極端な事例を外して計算し直す

新築や、極端に安い物件が混ざっていれば、「○番の物件を除いて計算し直してください」と頼みます。結果が大きく動くなら、その事例に引っぱられていたということです。


逆に言えば、AIの目安と前回の成約賃料の差こそが、「リフォームすれば、この水準まで家賃を上げられる余地がある」という判断材料になります。相場を知ることの本当の価値は、家賃を決めることよりも、その部屋にどこまで手を入れる価値があるかを考えられることにあるのかもしれません。



おわりに



AIは、集めた事例を整理して条件の違いを補正する作業を、驚くほど速くこなしてくれます。一方で、どの事例を使うか、部屋の弱点をどう見るか、最後にいくらで出すかを決めるのは、その部屋をいちばんよく知る大家さん自身です。管理会社の提案を聞く前に一度自分で調べておくだけでも、打ち合わせの中身はずいぶん変わるはずです。



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