神戸市北区の相続診断士が伝えたい、「不動産屋に来る前に」してほしいこと
- 敦也 石田
- 15 時間前
- 読了時間: 5分
相続は「最初の相談先」を間違えただけで、
数千万円単位の損失が出ることがあります。
■結論:まず税理士、その次に不動産屋
相続が発生したら、
最初に向かうべきは税理士です。
不動産屋ではありません。
不動産管理会社で相続診断士をしている僕が、
いつもお伝えしていることです。
なぜ不動産屋の人間が、
あえて「うちに来る前に税理士へ」と言うのか。
本音でお話しします。

■あと一歩で取り返しがつかなかった話
これはブログに書いてあった実話です。
先日、お父さまを亡くされた
Aさん(仮名)から伺った話です。
遺産は自宅と少しの預金。
お母さまはすでに他界しており、
相続人は同居のAさんお一人。
「相続税が払えないかも」と不安になり、
駅前の不動産屋へ相談。
査定、買取の手配まで進み、
契約日も決まっていました。
しかし、
知人から紹介してもらった税理士さんにその話をすると、
「それ、売ったら本来払わなくてよかった相続税が、
発生しますよ」と。
■小規模宅地等の特例と「保有継続要件」
相続税には「小規模宅地等の特例」という、
強力な節税制度があります。
被相続人が住んでいた土地330㎡まで、
評価額を80%減らせる制度です。
たとえば評価額1億円の自宅敷地が、
2,000万円として評価される。
基礎控除と合わせれば、
相続税ゼロに近づくケースも珍しくありません。
※実際の税額は個別状況によります。
ただし条件があります。
「保有継続要件」──
相続税の申告期限(死亡から10ヶ月後)まで、
その宅地を持ち続けていなければ、
特例が消えるというルールです。
Aさんが売却契約を進めていたのは、
まだ4ヶ月の時点。
そのまま売っていたら、
1億円のまま課税され、
ケースによっては数千万円単位の税が、
発生していた可能性があります。
■不動産屋に悪意はない。それが問題の核心
その不動産屋さんがAさんに売却を勧めたのは、
「お客さまが税金で困っているなら、
早く現金化を」
というごく普通のことです。
ただ、特例のことも、
保有継続要件のことも知らなかった。
不動産屋は不動産取引のプロ、
税理士は税務のプロ。
専門領域が違うだけで誰も悪くない。
でも相続人にとっては、
最初の相談相手を間違えるだけで、
数千万円の損失が出てしまうのです。
■相続発生後の正しい順番
(1) まず税理士か
相続診断士のいる不動産会社へ。
特例の適用、納税資金、
全体像を組み立ててもらう。
(2) 申告期限の10ヶ月以内に、
特例を適用して申告。
(3) 必要なら、申告後に売却。
申告期限から3年以内なら
「相続税の取得費加算の特例」で、
譲渡所得税まで軽減されます。
順番を守るだけで、
手元に残るお金が大きく変わります。
■ 相続診断士の僕が「先に税理士へ」と言う本当の理由
僕も売買仲介と管理を業務にする、
不動産会社の人間です。
本来「うちで売却を」と言うのが、
いちばん利益になる立場。
それでも相続のご相談には、
必ず「まず税理士さんへ」と申し上げます。
最初の順番を間違えただけで、
取り返しのつかない損失が出るケースを、
相続診断士として、
これまで何度も見聞きしてきたからです。
その瞬間に「うちで売りましょう」と言うことは、
お客さまの財産を結果的に削る行為に、
なりかねない。
不動産屋として正しくても、
相続診断士としては絶対にできない助言です。
これが
「不動産屋でありながら、まず税理士をお勧めする」
当社の差別化ポイントでもあります。
正しい順番を飛ばしてまで、
無理に契約を急ぐ必要はありません。
まずは資産をしっかり守る。不動産の実務は、
その土台が整ってからで十分間に合いますから。
■よくあるご質問(Q&A)
Q1:すでに他の不動産屋さんに売却を依頼してしまっています。
今からでも税理士さんに相談したほうが良いでしょうか?
A1: はい、たとえ売却活動が始まっていても、
契約(ハンコを押す)前であればまだ間に合います。
まずは信頼できる税理士に「小規模宅地等の特例」
の適用可否を確認してください。
もし特例が使えるのに「売却を急がされている」
状態なら、一度立ち止まる勇気が数千万円の
資産を守ることに繋がります。
Q2:10ヶ月後の申告期限まで待っていたら、建物の老朽化が進んだり、
不動産の相場が下がったりしませんか?
A2: 10ヶ月という期間は、不動産市場においてはそれほど
長い期間ではありません。
焦って「今すぐ」売り急ぐと、足元を見られて相場より
安く買い叩かれるリスクも高まります。
むしろ特例を確実に適用させて税負担を抑え、
その間にじっくりと良い買い手を探すほうが、
最終的に手元に残る金額は多くなるケースがほとんどです。
Q3. 相続税がかからない場合でも、税理士に相談すべきですか?
A3:はい、一度は相談をおすすめします。
相続税がかからないと思っていても、
小規模宅地の特例の適用可否
将来の売却時の税金
二次相続の対策
など、見落としがちなポイントがあります。
【著者情報】 石田 敦也 有限会社ダイヤモンドコンサルティング 代表 / 相続診断士 神戸市北区(鈴蘭台)を拠点に、30年のキャリアで培った不動産実務と、相続診断士としての専門知識で「失敗しない相続不動産売却」をサポート。提携税理士・弁護士と共に、お客様の財産を次世代へ繋ぐお手伝いをしています。


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