top of page

「満室稼働中」の収益物件、その契約は本物ですか?売主側仲介の説明だけで決めないための確認ポイント

  • 執筆者の写真: 石田敦也
    石田敦也
  • 7 分前
  • 読了時間: 7分


満室稼働中」の収益物件、その契約は本物ですか?


収益物件の購入を検討される時、

「満室稼働中」という表示や、

毎月の家賃入金の実績は、

大きな安心材料の一つになります。


ただ、ほとんどの売主や仲介会社は

誠実に取引を進めてくださる一方で、

ごく一部に、契約書はあっても

入居の実体が伴わない、

いわゆる「満室偽装」のような形で

物件を売却しようとするケースがあるのも事実です。


引き渡し後しばらくしてから

一斉に退去が出てしまい、

想定していたキャッシュフローが

大きく崩れることもあります。


買主側でも「入居の実体」を確認する視点を

持っておくことが、

ご自身の資産を守る第一歩になります。




■ 神戸市長田区で経験した、ある法人大家さんの事例



以前、当社の法人大家さんが、

先代から引き継いだ事業用地を売却し、

事業用の買換え特例をつかって、

神戸市長田区にある4階建てS造の収益マンションへ

資産を組み替えられたことがあります。


1階が店舗、2階以上が住居という構成で、

住居部分にワンルームが2戸空きの状態でした。

売主側の不動産業者からは、

「1階の店舗は介護関係の会社と契約済みで、

現在は開業準備中」という説明を受けていました。


ご購入前に、賃料査定を含めて

複数回打ち合わせを行い、

数か月の募集期間で住居の空室は埋まる見込み、

1階は契約済みなので問題なし、

というかたちで取引が進みました。


実際、住居のワンルームはペット可の設定もあって

予定より早く満室になりました。


一方で1階のテナントは、

1年ほど経っても内装工事に入る気配がなく、

スケルトンの状態が続いたのです。


そしてある日、突然、

「資金繰りがつかず開業を断念したい」

という退去の連絡が入りました。


幸い、大家さんは資金に余裕のある法人で、

「仕方ないですね、次の募集をお願いします」と

落ち着いて対応されたので、

事業に大きな影響はありませんでした。


ただ、ぼく自身は今でも少しひっかかっています。

1年間、内装工事もしないまま

家賃だけを払い続ける契約が、

本当に「実体のある契約」だったのか。


真実はわかりません。

本当に資金繰りが理由だったのかもしれません。

それでも「もしかしたら」という疑念は、

今も完全には消えていないのが正直なところです。




■ なぜ「満室偽装」は起こりうるのか



ここで誤解のないようにお伝えしたいのですが、

不動産業者の大多数は誠実に取引を進めています。


ただ、収益物件の売買には、

構造的に「情報の非対称性」が

生まれやすい場面があります。


売主側の仲介は、

当然ながら売主の利益のために動きます。

これは仕組み上、ごく自然なことです。


一方で買主は、

売主側から提供されるレントロールや契約書の写し、

家賃入金の履歴といった「書類」を中心に

物件の収益性を判断することになります。


書類だけを見れば

「満室」「家賃入金あり」となっていても、

その入居者が本当に生活実態を持っているのか、

テナントが本当に営業しているのかは、

書類からはなかなか読み取れません。


ごく一部とはいえ、

こうした情報の非対称性を利用して、

フリーレントを極端に長く設定して、

表面上の賃料だけを高く維持しているケースや

身内や関係会社との実体のない契約を入れ、

利回りをよく見せかけるケースが

あると言われています。


買主側として、

「書類は整っているが、本当に大丈夫か」

という視点を持っておくことが大切です。




■ 買主が現場で確認できる実務ポイント



では、実体のある入居なのかを、

買主側でどう確認すればよいのでしょうか。


まずおすすめしたいのは、

現地での「生活感」の確認です。


住居の場合は、

ガスメーター・電気メーターが稼働しているか、

郵便受けにチラシや郵便物が

溜まりすぎていないか、

共用部の様子はどうかなど、

人が住んでいる気配を観察します。


店舗・事務所であれば、

内装工事の進捗、看板の有無、

営業実態が確認できる外観であるかをチェックします。

Googleビジネスに登録があるか、

登記簿上、その法人が実在しているか、

本店所在地と契約上の使用状況に


矛盾はないかも確認しておきたいポイントです。


書類面では、

レントロールだけで判断せず、

各部屋の賃貸借契約書の写しや、

直近数か月の家賃入金履歴を

売主側に開示してもらえないか相談します。


加えて、

近隣の方や管理会社にさりげなくヒアリングし、

「最近、1階のお店、開いてますか?」

といった会話の中から

実態が見えてくることもあります。


これらは決して「売主を疑うため」ではなく、

ご自身の判断材料を増やすための作業として

位置づけていただくのがよいと思います。




■ 物件探しから運営まで、伴走者となるパートナーを

 

 

収益物件の売買では、

売主側仲介と買主側仲介、

それぞれに役割があります。

 

売主側仲介に悪意がなくても、

立場上、買主が知っておきたい情報のすべてを

能動的に出してくれるとは限りません。

これは利益相反というよりも、

役割の違いから生まれる自然な距離感です。

 

だからこそ、

物件探しの段階から

買主側の立場で動いてくれる仲介会社や、

購入後の運営まで一貫して任せられる

パートナーを持っておくことが、

ご自身の資産を守るうえで大きな意味を持ちます。

 

ダイヤモンドコンサルティングは、

神戸市・芦屋市・西宮市エリアで、

収益物件の売買仲介、

ご購入後の賃貸管理、

将来の売却や相続のご相談まで、

オーナー様の伴走者として

長くお付き合いさせていただいています。

 

「これから収益物件を探したい」

「購入した物件の管理を任せたい」

「相続予定の不動産の活用を考えたい」

そうしたご相談を承っております。



■ よくあるご質問



Q1. 満室稼働中と書かれた物件の「実体」を確認するために、買主が売主側に依頼してよい資料は何ですか?


各部屋の賃貸借契約書の写し、

直近3〜6か月程度の家賃入金履歴、

入居者属性が分かる範囲の申込書類などは、

個人情報に配慮しつつであれば、

買主側として開示を相談しても差し支えありません。


むしろ「開示できない」と言われた場合に、

その理由を確認しておくことが

大切な判断材料になります。



Q2. 引き渡し後すぐにテナントや入居者が退去した場合、売主に責任を問えますか?


契約書の特約や

売主の事前説明の内容によって判断は変わります。

告知義務違反や瑕疵に該当するかは

個別の事実関係によって異なるため、

退去の経緯や売主からの説明資料を整理したうえで、

弁護士や宅建業者にご相談されることをおすすめします。


ご自身で判断される前に、

第三者の意見を聞かれるのが安心です。



 

Q3. レントロール上の家賃が、周辺相場より高めに設定されているように見える場合、どう判断すればよいですか?

 

まずは、周辺の同条件物件の募集賃料を、

不動産ポータルサイトなどで

比較確認することをおすすめします。

 

現況賃料が相場より明らかに高い場合、

その入居者が退去した後の再募集で

同じ賃料が取れない可能性があり、

購入後に利回りが下振れすることもあります。

 

また、相場との乖離が大きいときは、

なぜその賃料で契約が成立しているのか、

契約時期や入居の経緯について

売主側に確認しておくと安心です。

 

ごく一部のケースでは、

利回りをよく見せるために

相場より高い賃料で実体のない契約を入れる、

という手口があるとも言われており、

相場との乖離は、買主が冷静に判断するための

材料の一つになります。




■ 執筆者



石田敦也 / ダイヤモンドコンサルティング

宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・相続診断士


神戸市・芦屋市・西宮市エリアを中心に、

賃貸管理・不動産売買・相続相談を

ご提供しております。

オーナー様・買主様の立場に寄り添い、

資産を守り、育てるサポートを行っています。

コメント


神戸市北区の不動産相談|ダイヤモンドコンサルティング

〒651-1113神戸市北区鈴蘭台南町6-12-48 

​すずらんエクセル2A

☎︎078-600-2292

bottom of page